砂に書いた夢

10年ほど前
僕らは砂に書いた夢を見ていた
ずっとこのままでいると
とりとめのない淡い約束

夕焼け 海沿いの道を
二人歩いた 潮風にふかれながら
やがて別々の道を
歩くなんて思うはずもなく

そして涙に暮れて 身動きさえできない
時計の針もまだ動かせずにいた

僕の描いてる夢と
キミの描いてる未来
食い違う時はいつも
僕の背中押してくれたよね
「ありがとう」さえも求めずに

繋いだ手からこぼれた
真っ白い砂はどこか
風に吹かれて飛んでいった
音もたてずに飛んでいった
君を抱きしめたい

夏の終わりが近づくと
思い出すんだ あの頃の光景を
風になびく乾いたシャツも
親しげに揺れる黄色い花も

灼熱の太陽の下
揺れてる陽炎みたいに
胸に刻んだ誓いも
砂浜に書いた言葉も
消えていく 波の音を連れて

滲んだ眼からこぼれた
涙の後を残して
キミはここから消えていった
何も云わずに消えていった
もう戻れない

僕の描いてる夢と
キミの描いてる未来
食い違う時はいつも
僕の背中押してくれたよね
「ありがとう」さえも求めずに

繋いだ手からこぼれた
真っ白い砂はどこか
風に吹かれて飛んでいった
音もたてずに飛んでいった
君を抱きしめたい